「病は気から」と昔の人は言いました。そもそも「病気」という文字は、読んで字のごとく「気」を「病」んでいると書き示しているわけですから、気持ちを「元に戻そう」と自身が強く思うことは、やはり「元気」につながっていくのではないかと思うのです。
もちろん、すべての病気を指すわけではありません。気合だけではどうしようもない病気もあるでしょう。ただ、人間の体には自然治癒力というものが備わっています。この力は不思議なほど心にも体にも作用すると私は思っているのです。
例えば、こんなことは実際に治療院の現場でもよく思うことです。
「治療院に毎日通う」ということ自体に気落ちをフォーカス(注目)させてしまい、「治そう」という意欲が感じられない患者さんがいるのです。理由を聞くと、交通事故の被害者の方の場合は「治療費の心配もないから、しっかり治してもらおうと思って」というのですが、やはりそこに自分から治そうという意識はないように見受けられます。
こうした例のように、「治してもらおう」という考え方は「誰かが治してくれる」という思いになりがちで、いつしか「いつか治るだろう」という考えかたになりやすいものです。確かに通い続けてくだされば、いつかは回復するでしょう。しかし、せっかく自分の時間を削りながら通院しているのですから、「必ずよくなる。早く元気な体になるんだ」という気持ちで通院するようにお話しさせていただいています。
医師を含め、治療・施術にあたるものは、患者さんのケガが一日も早く改善するように、症状にあわせて、懸命に手当てを施します。しかし、私たちができるのはそこまで。最終的には患者さんご自身の治癒力によって回復していくのですから、まずは「早く良くなりたい!」、そういう気持ちからスタートし、通院してみてください。きっと回復も早くなります。