これは症状が比較的軽い方に多いのですが、むち打ち症は放っておいても自然によくなると思っている方がいます。　確かに自覚症状が軽い痛み程度であったり、少々のつまり感を感じるぐらいであれば「ガマンしよう」と思ってしまうかもしれません。または「仕事が忙しいから後回しにしよう」と治療を先延ばしにしてしまうかもしれません。

しかし、「むち打ち症」の特徴として自覚症状が現れ始めるのは、首に強い衝撃を受けてから2～3日後、遅い場合は１～２週間後ということもありますから、痛みの原因が「首に衝撃を受けたこと」ということ自体を忘れてしまい、肩こり、首こりの一種と勘違いしてしまうケースもあります。そうなると治療院に行こうという気持ちすら起こらなくなるという場合もあります。

しかし、実はこれが一番よくないケースです。肩こりだと思い、自己流のマッサージをしてしまったり、巷にあるマッサージ屋さんなどで強めに揉まれたために症状を悪化させてしまうということもあるのです。

また、無意識に慢性化させてしまった「むち打ち症」は、自然回復をすることが難しく、原因不明の痛みとして様々な症状に悩まされ続けることとなるのです。
だからこそ、交通事故に遭った場合は、首に衝撃を受けた、受けていないに関わらず、必ず病院での画像検査と整骨院などでの検査、治療を受けてもらいたい、と思うのです。

皆様に繰り返しお伝えするのは、正しくむち打ち症を治療していれば、数か月で完治していたかもしれないのに・・・、という事例をたくさん見てきたからであり、例えばむち打ち症の症状なのに「うつ病」と診断されてしまった患者さんの場合は、長い年月、薬を服用し続ける生活を送ることになってしまいました。これは決して体に良いこととはいえません。

こうしたことにならないためにも、事故に遭ってしまったら早めに検査と手当を受けてください。それが早期回復の近道となるのです。