- 交通事故によるむち打ち症

交通事故によるむち打ち症

自動車産業の発展によって急増した「むち打ち症」は、その後多くの臨床家によって研究が進められていきました。そして1968年、横浜市立大学医学部整形外科学教室の土屋弘吉教授がむち打ち症の原因は、頚椎の軟部組織損傷によることから「頚椎捻挫」という名称を使用するよう提案。これが現在の正式名称となっています。
むち打ち症の中には軽傷のものから難治性のものまで存在し、臨床家たちの頭を悩ませてきました。土屋弘吉教授はその症状を5つに分類しました。これを「土屋の分類」といいます。

1.頚椎捻挫型
むち打ち症の7~8割が頚椎捻挫型といわれています。症状は首の周りの筋肉や靭帯、軟部組織の損傷が多くみられます。首のこりや張り、頭痛や手のしびれなどが現れます。動かすと痛み、可動域が制限されることもあります。

2.神経根症状型
脊柱内の神経が首のしなりにより大きく引き伸ばされることで起きる症状で、神経が圧迫され、首の痛みのほか、手足や腕の痛み、しびれ、だるさ、後頭部の痛みなどが現れます。これらの症状は、せきやくしゃみをしたり、首を動かしたりすることで強まります。

3.バレー・リュー症状型
自律神経の障害で起こる症状です。めまいや耳鳴り、難聴、目のかすみ、眼精疲労、頭痛や吐き気、記憶力や集中力の低下、その他声のかすれや胸の圧迫感などの症状が現れます。

4.神経根症状とバレー・リュー症状混合型
神経の症状に加えて、バレー・リュー症状が合併された症状で首の痛みとともに頭痛や吐き気、めまい、耳鳴りなどの症状が現れます。

5.脊髄症状型
首の脊柱管を通る脊髄が傷ついたり、足に伸びてる神経が圧迫されて、下肢のしびれや知覚障害が起こり、歩行障害が現れるようになります。また、膀胱直腸障害が生じて、尿や便が出にくくなるケースもあります。

その他の症状 脳脊髄液減少症
事故による衝撃で、一時的に髄液圧が急上昇し、その圧が下方に伝わることで腰椎の神経根に最も強い圧がかかり、くも膜が裂けると考えられています。脳脊髄液減少症の症状はきわめて多彩で、いわゆる不定愁訴がそれに相当します。初期の症状としては頭痛が特徴的です。また、これらの症状は、天候に左右されるといわれ、ことに気圧の変化に応じて症状が変化します。


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